翁は明治2年小諸町に生れ、若くして鉄工業を志し、幾多の辛酸をなめ、逆に天与の才能と不抜の意志を以て克く専売特許小宮山式豆粕粉砕機の完成を致し、農民労力の節約に益する所多大なるものであった。翁は性来豪快で温容亦玉の如く、推されて町会議員或いは区長など公職に盡す、将に半世の長きに及び、分けて其の此慮の畑地を卜して鉄工場を建設、偶々鉱泉を発元して大衆浴場を興し、旺んに鶴巻町繁栄の礎を築かれたその功績は、是に鶴巻開発の元祖として永へに後世に伝うべきものである。茲に先人の徳行をたたへ、有志謀りて此の碑を建てた次第である。 昭和35年11月吉晨 参議院議員 小山邦太郎 謹書 |