戻る




勧戒の器(宥座の器)

KANKAI NO KI  (YUUZA NO KI)






楕円形の器を糸で宙吊りにして、
横縦斜逆(おうじゅうしゃぎゃく:縦横斜め)に
回転しても、中心を外れません。
これに水を盛ると八分迄は平準を保ちますが
それを越えると転覆します。

満ば損を招き、謙は益を受ける。
多すぎても少なすぎても悪い結果を
招くとの孔子の教えを、
市町出身の和算家小林茂吉[忠良](1795-1871)が算学にて
解明し八分目で水平を維持させ
孔子が座右に置いて、
道徳修養の基にしたという
勧戒の器(宥座の器)を自ら作りだしたと言います。




勧戒の器




孔子の教え
 孔子が魯(ろ)の垣公廊(かんこうろう)を参観した時、 傾けて置かれた器を目にし、堂守に尋ねたら「宥座の器」 だと答えました。
 宥は侑・右とも書き、勧戒(善をすすめ、悪を戒める)を意味し、 宥座の器は座の傍らに置いて勧戒を示す器物をいいます。
 この宥座の器は、
  中が空であれば傾き
  水が半分入れば水中に浮き
  水が一杯になれば沈む(満則覆)
と聞かされ、試させたところその通りでした。

 満は損を招き、謙は益を受ける(満招損、謙受益)と 古人が言った通りだ。と孔子は感心したそうです。


戻る