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学校長 林滿雄先生
人 生 即 創 作
伊 藤 寒 水 書
平成15年(2003) 6月26日 寒水伊藤長七先生の書が、小山正邦さんから寄贈され校長室に掲げられました。
感謝を込めて伊藤寒水先生について林校長先生が校長講話でお話しされました。
ここにお話しされた校長講話と掲額式謝辞を掲載致します。
平成15年度講話
平成15年6月24日
「人生即創作」の額をいただく
梅雨時の代表的な花である紫陽花が、七変化の異名通りに次々と色を変えて私たちの目を楽しませてくれます。特に、静かに降る雨の中に咲く紫陽花は、風情があり、心が癒されます。
ところで、皆さんは囁の善光寺というお寺を知っていますか?坂の上地区の皆さんは知っている人が多いと思いますが、その境内の駐車場の所に大きな記念碑があります。その碑は、小諸に縁の深い伊藤寒水(長七)先生の教え子の皆さんが先生を慕って建てられた碑です。伊藤先生は、明治33年から1年間小諸で先生をされていました。同じ頃、皆さんがよく知っている島崎藤村先生がやはり小諸で先生をされていて、交流もあったようです。
その寒水先生の書かれた貴重な書額を頂き、昨日代表の人たちに参加して貰って掲額式
を行いました。
「人生即創作」と書かれたこの額は、初代小諸市長となられた小山邦太郎氏が、恩師であった伊藤先生から頂いたもので、氏の23回忌の法要をされたご遺族の皆さんが、この貴重な書を小諸市に贈って下さり、昨日本校で除幕式が行われたわけです。
さて、伊藤先生が先生としてもっとも大事にされていた教えが「立志・開拓・創作」ということでした。
「立志」・・志をたてる、(夢をいだく)
「開拓」・・自らの道を切り開く努力
「創作」・・新しい社会や文化の担い手となり、自己実現をはかる
この三つ教育訓は、この体育館に掲げられている「梅花の教え」の願いと重なる教えと言えます。
今回寄贈して頂いた書額「人生即創作」、この言葉から皆さんはどのようなことを思い浮かべますか。
自分なりに何か工夫をして新たな物を創り出す、理科や数学などの学習でいろいろな公式など使って問題を解く、ひとつの文学作品を自分なりに読み進めてみる等いろいろ思い浮かべるのではないかと思います。どれも創作に通じるものです。私は、今のべた様なことをこつこつと積み重ね、自分を切り拓き、自分の人生を自分なりに創り続けていくことではないかと思います。
須永博士さんの詩に「我が道」があります。
生きる 生きて生きて 生きる 生命あるかぎり 生きる
夢に 愛に 人生に 出逢いに 情熱こめて 生きて生きて
わたしは 我が道を生ききる
1学期も折り返し点に来ました。「人生即創作」この教えを大切にして自分の目標や夢に向かって頑張って行きましょう。
伊藤寒水先生教育訓掲額式謝辞
ただ今は、小諸の教育に誠に縁の深い伊藤寒水(長七)先生の書かれた貴重な書を、
小山様のご厚意と関係の皆様のお取り計らいで、本校に掲げさせて頂きましたことに対し、衷心より感謝申し上げます。
この度のご縁をきっかけに伊藤先生のことについて、改めて知ることが多々ありました。
・ 梅花教育に心魂を傾け、情熱を燃やされた佐藤寅太郎先生と伊藤先生との出会いのこと。
・ 小諸教育と文化の礎となっている小諸義塾の教師であった島崎藤村先生と伊藤先生との出会いのこと。
・ 初代小諸市長をされた小山邦太郎さんはじめ多くの教え子の方々と伊藤先生との出会いのこと。
特に、
・ 「伊藤寒水先生の碑」建立のエピソ−ドからは、先生と教え子の方々との深い絆を痛感させられました。
さらに、
・ 伊藤先生が教育の根幹にされた教えに、『立志、開拓』そして、本日頂いた『創作』がありますが、この三つの教えは、伊藤先生が、尊敬されていた佐藤寅太郎先生が小諸において、教育の精神とされた梅花教育の真髄と相通じる教えであったこともわかりました。
本校でも、
(立志)ひとり一人が、自分の将来の夢や目標を持って生きていって欲しいとの願いのもと、「立志の会」を行っていますし、
(開拓)藤村先生の『三智』の教え「学んで得る智、人と交わって得る智、自らの体験によって得る智」を、教育の具体目標として、“学力を高めること、豊かな人間関係を育てること、汗して体験すること”を通して、自分の道を切り拓いていくための様々な活動を行っています。
この結果として、いただいたこの書額のように
(創作)新たな社会や文化の担い手として、ひとり一人の生徒が、自己実現を目指せればと願っています。
こうした意味においても、この『人生即創作』の言葉を、小諸で育つ子どもたちの教育訓として、大事にさせていただきたいと考えています。
本当に、ありがとうございました。
学校長 林滿雄
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